福島県飯舘村

福島県の北東部、あぶくま高原に位置する高原農村地帯である福島県飯舘村。東日本大震災に伴う原発事故の影響で、放射線量が年間積算20mSvに達する恐れがあることから、震災一ヶ月後に住民全員の避難が指示されました。避難指示区域解除(帰還困難区域を除く)を2017年3月に計画している村では、住民・地元経済団体・行政を交えたこれからの村づくりが進められています。

村民の声を届ける

この飯舘村に、村民主体の村づくりが行われる仕組みをつくることを目的とした「いいたてネットワーク」という団体があります。設立者は元飯舘村役場職員である横山秀人さん。村民として、役場職員として、まさに顔の見える関係を構築してきた横山さんのもとには、避難先から村民の声がたくさん集まります。
その声の中には、将来に対する不安、悩み、迷い、問い、行政に対する意見、昔を懐かしむ言葉がちりばめられています。横山さんはこの声を飯舘村役場に届ける活動をしています。

データブックプロジェクトの発足

「いいたてネットワーク」と、福島市内で非営利活動の中間支援を行う「一般社団法人Bridge for Fukushima」、弊社の3団体は、飯舘村民の声を確認。飯舘村の皆さんが自分自身で未来を拓くための資料作成を目的とし、『飯舘村の未来を考えるためのデータブック』作成プロジェクトを2015年10月に発足させました。
データブックでは、声として集まった「問い」や「不安」の原因や、「意見」を具体化するために活用できる周辺データの可視化を行っています。

制作の背景

福島県内では原発事故後の情報錯綜から、行政が発信する情報に対する不信感がいまだ払拭されていない感があります。また、事業を評価される立場である行政が発する情報では、復興過程が楽観的に表現される傾向もあります。行政発の情報をベースには議論がしにくいような状況がありました。
行政の立場としても、住民からの要望に無理難題が多く、建設的な議論がしにくいという課題を持っていました。
両者が歩み寄るためには「客観性が高い」、「自分ごとに落とし込むことができる」データが必要だったのです。
こうした観点からデータ作成する団体の中立性を重要視し、プロジェクトは飯舘村役場や住民と独立した「客観的な立場」をとることとしました。

データブックの概要

データブックは「人口」「財政」「復興」の3カテゴリでまとめられています。カテゴリ内の各項目は、村民からの声を元に検討しました。
なお、データブックに掲載するデータの出典(データソース)はオープンデータとして公開されている、恣意性のない統計値を活用しています。
データ作成者の中立性とデータソース客観性は、立場の違う人々が同じテーブルで議論する基礎材料を作るうえで、欠かせないものであると考えます。

活用の場と更なる改版に向けて

かくして2016年3月7日、『飯舘村の未来を考えるためのデータブック 第0版』をリリースすることができました。
しかしリリースだけでは片手落ちです。今後はこのデータブックを活用しながら、飯舘村の将来について様々なセクターの人々が考える「作戦会議」という活用の場を検討しています。
この作戦会議の実施を通じて…また、避難区域再編を控えている状況を通じて…住民の皆さんから新たな問いが生まれることは間違いありません。
これに応じる『飯舘村の未来を考えるためのデータブック 第1版』のリリースに向け、調査分析を継続実施していきます。

プロジェクト担当
  • いいたてネットワーク
    住民意見の集約、行政との調整、データ分析
  • 一般社団法人Bridge for Fukushima
    プロジェクト統括、データ調査、データ分析
  • 合同会社シェアード・エスイー
    データベース構築、データ調査、データ分析、可視化

本ページではデータブックの一部を公開しております。
全てのデータブックの確認は、いいたてネットワークWebサイトからお願いいたします。

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